大都市・重慶の都心から160キロメートルほどの位置にある『大足』(だいそく)。ここには、76もの岩壁に彫られた5万体以上の『摩崖仏』(まがいぶつ)と10万にもおよぶ『文字の石刻』(せっこく)があります。『大足』とは、水も作物も大いに足りる豊かな土地という意味です。
ほとんどが仏教に関する石仏ですが、儒教・道教の像も刻まれていて、またその時代の様々な人物、社会生活の様子を刻んだものもあります。
『摩崖仏』(まがいぶつ)は、唐代末期の650年から五代、北宋、南宋代まで彫り続けられた大乗仏教の石仏群で、3大石窟と並ぶ、中国最後の石刻芸術の清華です。
『宝頂山石刻』は、内容にテーマと一貫性があり、まるで絵物語を見るようです。特に注目される石刻『釈迦涅槃(しゃかねはん)像』(長さ31メートル)は、規模と精巧さで他を圧倒し、『千手千眼観音菩薩像』は10007本の手(1つとして同じものはありません)をもつ最高傑作です。
また、手の上に500kgの石塔をのせて800年以上立ったまま倒れない『華厳三聖仏像』もあります。
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