【一度は食べてみたい海外グルメ♪】旅行のプロおすすめ!料理&レストラン100【69】中国の五大麺料理(中国・アジア)
麺のふるさと! ~中国~
こんなにあるの?さまざまなバリエーション!
「麺大国」と言われる中国。
そんな中国に「五大麺料理」なるものがあることを、ご存知ですか?
今回は、「五大麺料理」をひとつずつご紹介していきます。
さて、どんな麺料理が出てくるでしょうか?
乞うご期待です!
1. 刀削麺 (とうしょうめん)- 山西省 –
『刀削麺』」(とうしょうめん)とは、
かたまりの麺生地を薄く削りながらお湯の中に入れて(飛ばして?)
茹でる麺のことで、山西省が発祥の地です。
生地の塊を板に乗せ、片手に麺、片手に包丁を持って鍋の前に立ち、
生地を鍋の中にそぎ落としている姿を見たことがある、という人も多いのではないでしょうか。
最近はお客さんに見せるパフォーマンスとして、生地を頭に乗せ、両手の包丁で削ったり、
なんと、生地をそぎ落とするロボットが登場したり、など変わった方法もあるようです。
時間がかかると、麺の茹で具合が違ってくるので(最初にそぎ落とされた麺が茹で過ぎになってしまいます・・・)、麺を削るには小さすぎたり大きすぎたり、分厚くならないように手際よく、麺を長く均質に削るスキルが必要で、専門の熟練した料理人の技は、本当に「見事」のひとこと。
初めての人は、麺を削り落とすパフォーマンスに目が釘づけになってしまうことも多いと思います。
(実際、私も初めて刀削麺のお店に行った時は、友人と話をするのも忘れて、見入ってしまいました)
麺の独特な製法から、全体は柳の葉のような形になったり、また、断面は三角形になって独特の食感を生み出しています。
モチモチした食感で、まるでお餅ような感じ。
日本国内で日本人向けにアレンジされた刀削麺は、
ラーメンのような感じでスープを用いることが多いのですが、
中国では、酸味の効いたトマトソースをかけたり、豚肉の脂身とニンニンクの芽が入った肉あん、
または、黒酢にからめて食べることが多いようです。
2. 坦坦麺 (たんたんめん)- 四川省 –
さて、次にご紹介するのは、『坦坦麺』(たんたんめん)。
これも、みなさんに馴染みのある麺料理ですよね。
本場の四川省で食べられているのは、いわゆる「汁なし担担麺」。
辛みを利かせた挽肉や、ザーサイの細切りなどをのせた麺料理です。
もともと、天秤棒を担いで、歩きながら売られていた麺料理で、スープを大量に持ち歩くのは困難だったことから、本場中国での原型は「汁なし」です。
日本の担々麵、つまり「汁あり担々麵」は、四川省出身の料理人で
「日本における四川料理の父」といわれた、陳建民さん(陳建一さんのお父さんですね)が
日本人向けに改良した作り方を紹介して、広まったと言われています。
陳建民さんは、「私の中華料理少しウソある。でもそれいいウソ。美味しいウソ」と、
おっしゃっていたそうで、日本の味覚に合わせたアレンジを積極的に行い、
さまざまな四川料理を日本に広めたと言われています。
中国の「坦坦麺」は、醤油、唐辛子、辣油、粉さんしょう、酢、ごま油、ねぎのみじん切り、ペースト状にすった胡麻、すりつぶしたニンニクなどで作った独特のタレを、麺とよく和えて食べます。
このタレにこそ、それぞれ独自の秘伝があると言われています。
具を使わないこともありますが、豚のひき肉を炒めて、甘味噌やお酒などで
味つけした具をのせるのが一般的です。
麺がきたら、まずは麺同士がくっつく前に下からよくかき混ぜましょう。
そうすると、下に溜まっていた、タレが麺に絡んで、いい感じの食べごろとなります。
辛さには「麻」と「辣」の2種類があり、「麻」は麻婆豆腐からも想像できるように、
花椒(さんしょう)の辛さで、舌が麻痺するような辛さ。
「辣」は、唐辛子の辛さで、ピリッとくる感じの辛さです。
担担麺は、この2種類の辛さを微妙なバランスで配合することがポイントで、
各店の腕を問われるのも、この点かもしれませんね。
四川の人々は、昔から辛味好きで有名です。
四川は盆地のため、夏になると蒸し風呂のような暑さになります。
遠い昔から四川の辛い担担麺は、そんな夏の暑さを吹き飛ばす大切な一品だったんでしょうね。
3. 牛肉拉麺 (にうろうらあめん)- 蘭州市 –
『牛肉拉麺』(にうろうらあめん)とは、名前からわかる通り、
牛肉のスープに、手打ちで伸ばして茹でた麺を入れた汁麺料理です。
もともとは蘭州地方(甘粛省)の麺料理のため、『蘭州拉麺』(らんしゅうらあめん)とも
呼ばれていて、現在では、中国全土で人気のローカルフードです。
中国では、やわらかい麺を使用することが多いのですが、
牛肉拉麺に使用される麺はコシがあり、中国の他の麺とは一線を画しています。
麺の太さは、素麺くらいの細さのものから平打ち太麺まで、いろいろあります。
中国では、肉といえば普通は「豚肉」なのですが、この拉麺は牛肉。
スープは牛骨スープであっさりしています。
辛い油の香辛料は好みで加えますが、上に香菜がのることが多いので、苦手な方は要注意です
4. 炸醤麺 (じゃーじあんめん)- 北京 –
ここで紹介する『炸醤麺』(じゃーじあんめん)は、中国の北部(特に北京近辺)の
家庭料理である麺料理の1つ。
写真を見て「何となく見覚えがあるなぁ」と感じた人も多いのでは?
それもそのはず。日本でも「ジャージャー麵」や「ジャージャン麺」などの名前で知られている麺料理なのです。
使用される麺の種類はいろいろあるようですが、
具材としては、肉ときゅうりがのっているのが特徴です。
もともと、中国の炸醤は塩辛く、炸醤麺の味つけも、私たちが通常食べるような、
甘めでピリ辛ではなかったそうです。
ただ、現在では中国でも、甜麺醤を使ったり、糖分を加えた甘めの味つけのものもあるようです。
本来は、麺もかん水を用いない、太くて平たい麺が使用されていたとのこと。
この本来の中国式の炸醤麺の特徴を受け継いでいるのが、盛岡の「じゃじゃ麺」なんだそうです。
5. 熱乾麺 (ねつかんめん)- 武漢 –
『熱乾麺』(ねつかんめん)は、武漢を発祥の地とする人気の麺料理。
さしずめ、武漢でのおすすめB級グルメといった感じでしょうか。
茹でた小麦の麺に芝麻醤(ジーマージャン)(白ごまをいってすりつぶし、油を加えて練った中国調味料)、ザーサイ、ネギ、コショウを食べる直前に混ぜ加えて、調理されます。
武漢の伝統的な朝食でもあり、武漢では、朝の食堂か通りの屋台で販売されているんだとか。
この熱乾麺の起源について、広く伝わっている話があります。
百年以上も前のある日、漢口(現在の武漢市の一部)で商売をしていた
タンメン売りがいましたが、不景気で思うように売れず、
麺が売れ残ってしまいました。
そこで、すでに茹でて火が通ってしまった麺をすくい取り、油で和えて家へ持ち帰りました。
翌日、この麺をもう一度お湯で茹でなおし、芝麻醤(ジーマージャン)を少し加えてみたところ、
あら意外!思いのほか、美味しいではないですか!!
このようにして、新しい料理「熱乾麺」が誕生したという言い伝えがあります。
いかがでしたか?
中国の『五大麺料理』。
今回、ご紹介した5つの麺料理ではなく、他の麺料理が入ったものを「五大麺料理」とする説もあるようで、はっきりとしたものはないようです。
でも、きっとどの麺料理も美味しいに違いないと思います
こんないろいろな麺料理が楽しめる、中国(China)(アジア)をぜひ訪れてみてください。
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プチ情報
中国の麺料理の「拉麺」と、日本の「ラーメン」は違うものだって、知っていましたか?
一般的に、日本のラーメンに関するこだわりは
(1) スープ
(2) 麺
(3) 具材
だと言われています。
一方、中国でのこだわりは
(1) 具材
(2) 麺
(3) スープ
の順なんだそうです。
う~ん、この時点でこだわりが全く違うことがわかりますね。
確かに、私たちがラーメンを食べに行くときには「塩」「みそ」「しょうゆ」など、
スープにこだわりますね。
でも、中国では「何が具材で、何を食べたいのか」に重きが置かれている、ということなんでしょうね。
あとは麺も中国と日本では異なります。
五大麺料理の中でも説明したように、「牛肉拉麺」以外は「やわらかめの麺」が主流。
これは、かん水をあまり使わず、手延べ麺が中心で、しかも、延ばすときに油を使うので、
日本人からみると「コシがない」と感じてしまうことが多いようです。
「本場の中国麺料理」を食べるときには、中国の麺文化の伝統を理解しておけば、
実際に食べたときの「???」というギャップに驚くことも少ないのではないでしょうか。