海の中まで続く扇状形!
思わず見とれてしまう形をしています。
これは、富山湾に広がる『黒部川の扇状地』です。
この絶景は、「扇状地代表」として地理の教科書に載ることが多いのです。
扇状形の付け根にあたる「愛本橋」(あいもとばし)にコンパスの中心を置くと、
等高線の幅も一定の、ほぼ完全な半円形になるそうです。
黒部川は、愛本橋から河口までたった14キロメートルしかありません。
かつては、黒部峡谷一帯が豪雨に見舞われると、一気に手のつけられない
暴れ川になって流れ込みました。
しかし、あちらこちらに湧く「名水百選」のミネラル水は、田畑だけでなく、
富山湾にも豊かなな恵みを与えてくれています。
驚くのは、この扇状形は海の中まで続いているのだと言われています。
黒部川は愛本橋を扇頂として、黒部市、入善町(にゅうぜんまち)、朝日町が含まれます。
扇角は約60度、黒部川を基準とした扇端までは14キロメートル、面積は約96平方キロメートルで、
典型的な扇状地としては日本最大を誇ります。
通常、扇状地は必ずしも扇形をしているとは限らないのですが、
『黒部川扇状地』はきれいな扇形をしています。
これは、黒部川が扇状地上で流路を左右に変遷しながら、
ほぼ均等に上流から砂礫類を体積してきた結果だそうです。
長い年月をかけて形成された、自然のすごさを感じます
『黒部川扇状地』は、地下水が豊富で、また多くの湧水があることでも知られています。
この湧水は「黒部川扇状地湧水群」と呼ばれ、名水百選だけでなく、
「大自然のシンフォニー文化・交流のまち 黒部」や「水キラキラ 町いきいき入善」として
「水の郷百選」にも選ばれています。
湧水は大きく分けて2種類あり、
ひとつは入善町の「杉沢の沢スギ」のような自然に湧き出す地表清水、
もうひとつは黒部市の「生地の共同洗い場」のような掘り抜き井戸による地噴水です。
「杉沢の沢スギ」は、湧水を中心に群生している幻想的な沢スギの林です。
ここは、表層の浅い湧水地帯となっていて、かつては「沢スギ」と呼ばれる
天然のスギが密生し、一帯が杉沢となっていたそうです。
それが今ではほとんど伐採されてしまい、現在では富山県の自然環境保全地区に
指定されている範囲が残っているだけとなっています。
周辺には整備された遊歩道もあり、小さな川や池、コケがついた木など、
神秘的な雰囲気の漂う森となっていて、散策が楽しめます。
最近では、観光スポットとしても注目されています
こんな絶景が楽しめる、富山県の黒部川や杉沢の沢スギをぜひ訪れてみてください。
★『杉沢の沢スギ』の住所、行き方・アクセス、電話番号、公式ホームページなど
- 住所:富山県下新川郡入善町吉原950
- アクセス:
※ あいの風とやま鉄道入善駅から車で約10分
※ 北陸自動車道入善スマートICから約15分 - 駐車場:なし
- 営業時間:9:00~17:00(入館は16:30まで)
- 休業日:月曜日(祝日の場合は翌日)、祝日の翌日、冬季(12月28日~2月末)
- 料金:無料
- 電話番号:0765-72-1710(沢スギ自然館)
- 公式ホームページ:
>> 黒部川扇状地湧水群 (ロカルちゃ!富山(富山観光・地域振興局 観光課))
>> 杉沢の沢スギ (富山県観光公式サイト とやま観光ナビ)