日本一歩きたくなる散歩道!
長野県大町市の湖に、ふしぎな桜があります。
日本一幻想的、あるいは妖艶な、とまで言われる『中綱湖』(なかつなこ)のオオヤマザクラです。
ひときわピンク色の濃いこの桜が、湖面に映る姿を収めようと大勢のカメラマンがやってきます。
ところが、この妖艶な桜を撮るのはそう簡単なことではありません。
早朝4時に訪れても、100人ばかりがすでに待機していることも!
みんなが待っているのは、幻想的な陽射しと湖面が水鏡になる瞬間。
少しでも風が止むと、一斉にバシャバシャバシャとシャッターの音が鳴り響きます。
しかもここの花の盛りは、わずか2日ばかりと儚いのです。
一方、遅れてきた人たちの間では、湖畔のあぜ道は、日本一歩きたくなる散歩道だともっぱらの評判です。
長野県大町市には、北アルプス山麓唯一の「天然湖」があり、
町市外から白馬へ向かうJR大糸線、国道148号の左手に「木崎湖」「中綱湖」「青木湖」が姿を現します。
この3つの湖は、「仁科三湖」と呼ばれ、親しまれています。
『中綱湖』は、仁科三湖のまん中にあり、一番小さな湖です。
春、中綱湖の西側に群生する「オオヤマザクラ」は、濃いピンクが美しく、
時間ごとに刻々と変えるその姿は、湖面に映え、まるで幻想を見ているような錯覚に陥ります。
仁科三湖周辺は、オオヤマザクラの自生群生地としては本州の南限なんだそうです。
この貴重なスポットに、多くのカメラマンが訪れるのも納得ですね。
夜明け前の月のわずかな光の下でも、写真に収めると、肉眼では見ることができない、
白く光る桜が撮れることもあるそうです。
だから、早朝に訪れても、千載一遇のシャッターチャンスを狙う多くの人たちでいっぱいなんですね。
オオヤマザクラで人気の『中綱湖』は、湖面標高815メートル、
最大水深12メートルと規模は小さい湖ですが、周囲約2キロメートルは水草が茂り、
春から秋にかけては、コイ釣りやヘラブナ釣りが楽しめる湖としても知られています。
また、冬になると氷上でワカサギの穴釣りも楽しめる、オールシーズンフィッシングエリアです。
氷上釣りの解禁時期は、通常1月下旬から2月中旬頃までですが、
解禁の目安は氷厚が20センチメートルを越した年だけとなります。
近くにはスキー場もありますし、一年中通して、いろいろなアクティビティが
楽しめる『中綱湖』。
一度といわず、何度でも訪れたい絶景スポットですが、
まずはこの美しい「オオヤマザクラ」を見に出かけてみませんか。
★『中綱湖』の住所、アクセス、営業時間、入場料金、公式ホームページなど
- 住所:長野県大町市平
- アクセス:
■ 安曇野ICから約55分
■ 長野ICから約50分
■ JR大糸線簗場駅から徒歩約3分
■ JR北陸新幹線長野駅下車 特急バス約60分 → タクシー約17分 - 例年のオオヤマザクラの旬:4月下旬~5月上旬
- 駐車場:なし
- 電話番号:0261-22-0190 (大町市観光協会)
- 公式ホームページ:中綱湖 (大町市観光協会)