「ローマ」「ベニス」とご紹介してきました「シネマで旅しよう♪」シリーズですが、今回はイタリアの人気都市『フィレンツェ』をご紹介します。
イタリアの中で美しい風景を誇るトスカーナ地方を代表する都市、フィレンツェ。
今回はどんな映画のどんなシーンが出てくるでしょうか?乞うご期待です!
1. 冷静と情熱のあいだ ~2001年 日本映画~
『フィレンツェ』を舞台にした映画というと、最初に頭に浮かぶのがこの映画。
イタリアのフィレンツェやミラノの美しい風景と、エンヤの神秘的な音楽が絶妙に絡み合っていました。
『冷静と情熱のあいだ』は、1999年に出版された辻仁成と江國香織による恋愛小説を原作として映画化、阿形順正を竹野内豊が、あおいをケリー・チャンが演じました。
【アルノ川】
竹ノ内豊が演じている順正は絵画の修復士。アルノ川の対岸、ピッティ宮殿とサントスピリト広場の間の小道には、今も昔ながらの小さな修復の工房がたくさん残っています。
【ドゥオモ、クーポラ】
学生時代、20歳のあおいが順正に言った言葉が「わたしの30歳の誕生日に、フィレンツェのドゥオモのクーポラで会ってね。約束してね。」。
順正は、あおいを、そして彼女のこの言葉を忘れることができず、ついに約束の日がやってきます。順正はゆっくりとドゥオモ(大聖堂)の階段を、クーポラ(聖堂の丸屋根)をめざして上っていきます。しかし、あおいはそこにはいません。ドゥオモの閉館時間も刻一刻と迫ってきます。さて、2人の運命は・・・
2. ハンニバル ~2001年 アメリカ映画~
「羊たちの沈黙」から10年後、あのハンニバル・レクター博士はフェル博士と名前を変えて、フィレンツェに潜伏、歴史図書館の司書として優雅に暮らしていました・・・。
「ハンニバル」(原題:Hannibal)は、「羊たちの沈黙」の続編としてリドリー・スコット監督が映画化。レクター博士は前作に続きアンソニー・ホプキンスが、そしてFBI特別捜査官クラリスはジョディ・フォスターに代わり(「同じ役は引き受けない」というポリシーのようです)ジュリアン・ムーアが演じています。
【ヴェッキオ橋、ヴェッキオ宮殿】
レクターを追う刑事パッツィ(ジャンカルロ・ジャンニーニ)が、スリを使って彼の指紋を取ろうとしたのが、『ヴェッキオ橋』(Ponte Vecchio)です。
そして、彼がレクターの惨殺された場所が『ヴェッキオ宮殿』(Palazzo Vecchio)です。
ヴェッキオ橋(ポンテ・ヴェッキオ)はアルノ川に架かる橋。イタリア語で「古い橋」の名が表すとおり、フィレンツェ最古の橋であるとともに、先の大戦を生き延びたフィレンツェ唯一の橋なのです。
ヴェッキオ宮殿は、シニョリーア広場に面して建つ宮殿で、一時メディチ家もピッティ宮殿に移るまでここを住居としていました。現在でも、フィレンツェ市庁舎として使われています。
3. インフェルノ ~2016年 アメリカ映画~
トム・ハンクスがラングドン教授を演じた『ダ・ヴィンチ・コード』、『天使と悪魔』に続く、シリーズ第3弾となったのが『インフェルノ』(原題:Inferno)です。この映画の舞台となったのがフィレンツェで、ラグンドン教授(トム・ハンクス)が映画の冒頭、病院で目を覚ますシーン。彼は病室の窓からヴェッキオ宮殿を目にし、自分がフィレンツェにいることに気づきます。その他、ビッティ宮殿やボーボリ庭園、ドゥオモ、ダンテの家、サン・ジョヴァンニ洗礼堂といった、フィレンツェの名所・見所がたくさん登場します。
【ピッティ宮殿、ボーボリ庭園】
ラングドン教授が暗殺者から逃げるシーンとなったのが、「ピッティ宮殿」と「ウフィツィ美術館」をつなぐヴァザーリの回廊のある「ボーボリ庭園」です。
【ダンテの家】
ラングドン教授が「神曲」の手がかりを求めて訪れたのが、「ダンテの家」です。
現在、ダンテの家は美術館になっています。本当の生家は、ダンテがフィレンツェを追放された時に壊されてしまったそうで、現在のこの家は観光用に建てられたものなのだとか。
【サン・ジョヴァンニ洗礼堂】
この映画では、ダンテが「神曲・時獄篇」の中で描写した地獄(インフェルノ)の様子を、ボッティチェリが絵画にしたものが最初の手がかりとなりますが、その次に手がかりとして登場するのが、ダンテ自身のデスマスク。そのデスマスク謎が隠されていたのが、「サン・ジョヴァンニ洗礼堂」です。
4. 眺めのいい部屋 ~1986年 イギリス映画~
「眺めのいい部屋」(原題:A Room with a View)は、E.M.フォスターの同名小説をジェームズ・アイヴォリー監督が、1986年に映画化した作品。
翌年のアカデミー賞に8部門で候補となり、脚色賞、衣装賞、美術賞の3部門を受賞しました。
また、イギリスアカデミー賞では作品賞、主演女優、助演女優、衣装デザイン賞、美術の5部門を獲得しています。
イギリスの上流階級の令嬢ルーシー(ヘレナ・ボナム=カーター)が、訪れたフィレンツェで進歩的な青年ジョージ(ジュリアン・サンズ)と恋に落ち、自らも自立に目覚めていくストーリー。この映画でも、フィレンツェの見どころが数多く映し出されています。
【ヴェッキオ宮殿、ドゥオーモ、ジョットの鐘楼】
眺めのいいホテル「ベルトリーニ」の部屋から見えたのは、ヴォルザーリの回廊越しに『ヴェッキオ宮殿』と『ドゥオーモ』(大聖堂)、それに『ジョットの鐘楼』です。
【サンタ・クローチェ教会】
ルーシーがジョージの父と会った場所が、『サンタ・クローチェ教会』です。
5. ライフ イズ ビューティフル ~1997年 イタリア映画~
最後にご紹介するのは、1997年に公開され、世界中を感動の渦に巻き込んだ『ライフ・イズ・ビューティフル』(原題:Life Is Beautiful)。ロバルト・ベニーニが、脚本・監督・主演の三役をこなし、アメリカのアカデミー賞では、本命のトム・ハンクス(『プライベート・ライアン』)をおしのけて主演男優賞を受賞しました。その他、作曲賞、外国語映画賞も受賞を果たした名作で、第二次世界大戦下のユダヤ人迫害(ホロコースト)を、ユダヤ系イタリア人の親子の視点から描いた作品です。
この映画のロケ地となったのがイタリア・トスカーナ州の街「アレッツォ」(Arezzo)、フィレンツェの北東約70キロメートルのところにあります。映画で描かれていた中世の面影を残す美しいイタリアの街並みはセットではありません。ここでは、映画の世界そのままの美しい街「アレッツォ」をご紹介します。
【グランデ広場】
主人公グイド・オレフィチェ(ロベルト・ベニービ)が妻ドーラ(ニコレッタ・ブラスキ)と息子ジョズエ(ジョルジョ・カンタリーニ)を自転車に乗せてこの広場を一気に駆け抜けるシーン、はじけるように笑う子供の笑い声、愛し合う家族の幸せいっぱいの印象的な場面で、記憶にある方も多いかもしれません。その他たくさんのシーンが、この広場で撮影されました。
【ドゥオモ】
主人公グイドが思いを寄せるドーラのために赤い絨毯を広げるシーンは、ドゥオモ前の階段で撮影されました。
映画で旅する第3弾「シネマで旅しよう♪ フィレンツェ編」はいかがでしたか?
イタリアでも美しい風景で知られているトスカーナ地方のフィレンツェは、映画のシーンとして登場する回数も多い気がしますね。
やはり、イタリア旅行では欠かせない街ですね。映画のロケ地を巡るフィレンツェ旅行にぜひ、お出かけください。
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