必見!世界のとっておき【可笑しなホテル20軒】2. 氷のホテル ~Icehotel Sweden~
今回、ご紹介する『アイスホテル』(Icehotel Sweden)は、
北極線を超えて約200キロ、ラップランドの奥深くの
小さな村ユッカスヤルビ(Jukkajarvi)にあります。
幻想的な光のアートに包まれて
キルナ(Kiruna)から車で約30分。
ユッカスヤルビでは、毎年冬を迎えると
凍てついたトーネ(Torne)川の河口岸に『アイスホテル』が出現します。
村には、小さなスーパーマーケットとレストラン、お土産屋さん、
スウェーデン最古の木造教会があるだけで、人口よりも犬の数の方が
多かったのです。
今でこそ、アイスホテルは各地で見られるようになりましたが、
始まりはこの小さな村でした。
世界最大のアイスホテル!
ユッカスヤルビの『アイスホテル』は、約5,500平方メートルと世界最大です。
氷のフロント、氷の柱廊、氷の客室、そして無数の氷の彫刻。
氷のチャペルでは、ミサや結婚式が行われ、ストックホルムの姉妹店と
ライブ映像でつながった氷のバー、シェークスピア劇を上演する
氷の劇場まであります。
一冬だけの夢空間
秋が終わり11月になると、凍結したトーネ川から
大きな透明の氷のブロックの切り出しが始まります。
そこを積み上げて、建築していくのですが、
ひと冬ごとに異なるアーティストが新しくデザインし、
毎年その姿を変えるのが、『アイスホテル』の特徴です。
ホテルに必要な氷は、
気温がマイナス10℃前後のときが最高品質なのだそうです。
冷たければ冷たいほどいい、というわけではなく、
マイナス10℃以下になると、逆に冷えすぎて、氷に亀裂が入ってしまうんだとか。
通常、12月初旬にはホテルの一部だけが完成、1月には全館整い、宿泊客を迎えます。
世界中からくる彫刻家によって彫られた氷の客室は、
ひとつとして同じものはありません。
それでも、氷と雪でつくった建物は、春になると溶けてなくなり、
自然に戻っていきます。
まさに「一冬だけの夢空間」なのです。
トナカイの皮を敷いた氷のベッドで寝る
館内は、マイナス5℃からマイナス9℃ほどに保たれています。
宿泊客には、フロントで毛皮の帽子、スキーウェア、防寒ブーツ、
分厚い寝袋が渡されます。
氷のベッドにはトナカイの皮が敷かれています。
寝袋にもぐり込み、氷のベッドで眠るなんて、
ここでしかできない体験です。
毛皮は氷の冷たさを遮断してくれるのですが、
それでも翌朝のうれしいサービスが待ちきれないかも。