ソウルから車や地下鉄で約1時間の京畿道(キョンギド)水原(スウォン)市の中心部を取り囲むようにして建つ壮大な都城が『華城(ファソン)』。
朝鮮の伝統的築城方法に西洋の築城方法を取り入れた城塞と、それと一体となった城壁が6キロメートルも続いているのが特徴で、商業的機能をあわせもった平山城です。
人気を博したテレビドラマ「イ・サン」で知られる、22代正祖(チョンジョ)が父の墓を揚州から水原(スウォン)に移し、新都を建設しました。
1794年から2年かけ37万人を動員。巨大な石材とレンガを用いて周囲を城壁で囲み、多くの城門や砲楼、角楼など楼閣を建てました。
正門にあたる北門の長安門など四方の城門を始め、8つの城門が配されています。のろし台の烽ドン(ポンドン)、多くの鉄砲、大砲用穴が開いた西北空心ドン(ソンプッゴンシンドン)などもあります。城内最高所の八達(パルダル)山頂上にある西将台(ソジャンデ)からは市内一望どころか、四方40キロメートルまで見渡せると言われています。
この『華城』は、優れた機能性と建築美を兼ね備えていて、建築史的にも高い価値を有する城郭として世界文化遺産に登録されました。総面積130ヘクタール(東京ドーム約28個分)、全長は5.7キロメートルです。
城壁に沿って一周すると約2時間半かかるため、予定や体力に合ったコースを選択することをおすすめします。訪れる際は、上り下りの階段も所々にあるため、歩きやすい服装・靴で見学するようにしてください。八達山(パルダルサン)~錬武台(ヨンムデ)間には、正祖の御輿をイメージした「華城列車」も運行されているので、車窓から華城見物を楽しむのもオススメです。