生きている広島のモンサンミッシェル!
瀬戸内海ののどかな青い海に、奇妙なものが見えてきました。
まわりの島々とは明らかに違う、ふしぎなオーラを放っています。
広島県竹原市の沖合約3キロメートルに浮かぶ小島、
『契島』(ちぎりじま)がその場所です。
上大崎群島の一つに数えられ、南側には生野島や大崎上島が迫ります。
じつは、この契島は「東邦亜鉛株式会社」の所有で、
鉛の製錬工場の島なのです。
全島工場と呼ばれるように、島の端から端まで、それこそ取りつく島もないほど
100%が私有地のため、関係者以外は上陸禁止となっています。
長崎県の軍艦島とは違って、現役バリバリの工場なのです。
なんと、日本で生産される鉛の4割をこの島で精錬しているんだそうです。
『軍艦島』は、長崎市から西側に19キロほどの沖合にある離島で、面積は約6.3ヘクタール、
一方、『契島』は、広島県竹原市の沖合3キロのところにあり、面積は約9ヘクタールです。
『契島』は、「瀬戸内海の軍艦島」や「安芸の軍艦島」と呼ばれることも。
また、軍艦島が無人島なのに対し、こちら『契島』は今でも住民もいて、
工場も操業中であることから「生きている軍艦島」と呼ぶ人もいるそうです。
また、本土から契島を眺めると、海に浮かぶ島の姿が
フランスの世界遺産「モンサンミッシェル」に似ているという説もあり、
「広島のモンサンミッシェル」と呼ばせたい人たちもいるとか、いないとか・・・
現役バリバリの工場ということで、一部の工場マニアの間では、
何とか訪れてみたいスポットとして知られています。
また、多くの工場ファンだけでなく、上陸マニアたちからも
長年あこがれの的である島なのです。
しかし
先にも書きましたが、関係者以外は上陸禁止の島なのでくれぐれもご注意ください
工場内は硫酸等も扱っているので危険な場所も多いので、
最近では、一部無断で侵入する人も多く、対策に苦慮しているようです。
上陸ができないのなら、せめて近くまで行く方法はないんでしょうか?
実はあるんです
では、どうしたらこの島に近づけるのか??
実は、一般のフェリーに乗ると、かなり近くでこの島の雄姿を見ることができます。
ひとつは、竹原から大崎上島(離島)へ渡るフェリーに乗船すれば、
途中、契島を眺めながらの瀬戸内クルーズ(片道約30分)が楽しめます。
クルーズといっても、フェリーなのでオシャレ感はないんですけどね
大崎上島は、瀬戸内海のど真ん中にある、橋のかかっていない島で、
船でしか行くことができません。
契島を見るためだけに乗船するなら、乗りっぱなしでそのまま竹原に戻ることもできます。
もちろん乗りっぱなしでも、往復料金は必要ですよ。
せっかく大崎上島まで行くなら、上陸して島を散策するのもオススメです
島といっても、外周は40キロメートルほどあるので、自転車をレンタルするもよし、
電気自動車の「超小型モビリティ」をレンタルするもよし
自然が満喫できる島です。
★★ 大崎上島 公式ホームページ:大崎上島観光ナビ
もうひとつ、ご紹介したいフェリーは、大崎上島町営フェリー「さざなみ」です。
このフェリーは、大崎上島の白水から生野島、契島を経由して、白水に戻ってきます。
生野島は、大崎上島の北西約500メートルに位置する島で、契島にも近いので、
契島の工場群を見渡すことができます。
契島で上陸はできませんが、運がよければ船員にお願いして、
写真を撮るだけの一瞬の時間を待ってもらって、すぐに出港という
離れ業ができちゃうかも。
桟橋は上陸OKなので、船員さんに依頼すれば降ろしてもらえるそうです。
★★ 町営フェリー「さざなみ」時刻表 はこちら!!
こんな絶景が楽しめる、広島県の契島を見に出かけてみませんか。