【一度は行きたい!心ひかれる日本の絶景 50】21. 一夜限りの儚い花(西表島・沖縄県)
一夜だけ咲く幻の花!
ピンクや白色をした花たちは、音もなくゆっくりと流れてきます。
早朝の光がキラキラと後良川(しいらがわ)の川面に映えて、美しく幻想的な光景が目の前に広がります。
沖縄県の西表島(いりおもてじま)では、サガリバナの季節がくると、あちらこちらの川では
カヌーやカヤック、クルーズなどにより「サガリバナの鑑賞ツアー」が行われます。
サガリバナとは、実に不思議な花です。
夜になると咲き始め、朝を迎えると花は次から次へと落ちてしまいます。
浮かんでいるのはすべて雄しべで、雌しべは木に残り、しっかりと実をつけます。
一夜限りの儚い花とは、なんだか心に残る話ですよね。
まさに「幻の花」ですね。
「サガリバナ」は、東南アジア一帯の熱帯・亜熱帯に分布し、
日本では南西諸島(奄美大島以南)に自生しマングローブの後背地や川沿いの湿地に生育する植物です。
特に、日本では沖縄の西表島のサガリバナが有名です。
サガリバナは正式名称を「サワフジ」というのですが、花が垂れさがり咲くことから「サガリバナ」と
呼ばれることが一般的となっています。
サガリバナの咲く季節は、初夏の一時期だけ(6月下旬~7月下旬)。
この時期だけ、サガリバナは夕方から夜にかけてバニラのように甘~い香りを放ちながら開花し、
明け方には川面にポタポタと落ちていく様子、そして川面をゆっくりと流れる様子を
眺めることができるのです。
川面に落ちた花が、川を流れていく姿はなんとも言えず優雅で、幻想的な風景です。
まるで、川面が一面の花のじゅうたんのようで、思わず息をのんでしまうことでしょう。
サガリバナの季節になると、西表島ではいろいろな鑑賞ツアーが催行されています。
サガリバナの鑑賞だけでなく、近くの滝を訪れたり、トレッキングをしたり、と
内容もバラエティに富んでいますので、みなさんのご希望に沿ったツアーを見つけて
参加してくださいね。
「サガリバナ」の花言葉をご存知ですか?
「幸運が訪れる」
初夏の西表島を訪れて、幻の花ともいわれる「サガリバナ」を鑑賞し、
ぜひ幸運を引き寄せてみてください。
★『西表島』へのアクセス
西表島に空港はありません。
まず、日本各地から「石垣島」に飛行機で行き、空港から離島ターミナルへ移動、そこから高速船もしくはフェリーで西表島まで移動します。
石垣島と西表島を結ぶ航路は2つあるので、ご注意ください。
2つの港(上原港、大原港)は、約35キロメートル離れていて、車では約50分かかります。
観光の時間や到着後の予定、宿泊場所などを考慮し、どちらの港へ行くのがいいか、
事前にきちんと計画をたてるようにしてくださいね。
参考サイト:沖縄 西表島の総合情報サイト iriomote.com