【一度は行きたい!心ひかれる日本の絶景 50】42. 終わることのない旅(層雲峡・北海道)
日本一早く、美しい紅葉!
これは、どちらかといえば「異様」な光景ではないでしょうか。
「美しい」と言えるかどうかも怪しいものです。
北海道・大雪山の『高根ヶ原』は、約100万年前の火山活動によって
巨大な地滑りを起こした場所で、えぐり取られた急峻な崖には万年雪が残ります。
『高根ヶ原』は、高原温泉から西に約3時間、
白雲岳と平ヶ岳を結ぶ稜線にあたる高原で、大雪山系の標高1700メートルあたりに広がっています。
アイヌの人々は、この地を「カムイミンタラ」(神々の遊ぶ庭の意味)と呼んでいたそうです。
大小30ばかりの沼地を歩く「高原沼めぐり」は、
夏の高山植物、秋の紅葉スポットとして人気のコースです。
神奈川県とほぼ同じ面積の大雪山国立公園は、日本一早い紅葉と
日本一すごい紅葉で知られています。
一度でもこの紅葉にはまってしまうと、何かに取りつかれたように
毎年やってきてしまうのだとか。
そう考えると、終わることのない大雪山めぐりは、日本一危険なスポットかもしれませんね。
「高原沼めぐり」について、ご説明しましょう。
コースは1周約7キロメートルで、所要時間は約3時間半~4時間です。
沼が見えるまで、1時間くらい歩きます。
入山できる期間は6月下旬から10月上旬まで、入山時間は午前7時から午後1時までとなっています。
沼めぐりコースの周辺には、多くのヒグマが生息しています。
そのため、人間とヒグマの遭遇事故を最小限にするため、
毎日巡視員がコースをパトロールしていて、安全を確認した上で入山ができます。
登山道でヒグマが確認された時は、入山が禁止されます。
そのため、入山する前に、コース入口にあるヒグマ情報センターで
レクチャーを受けなければなりません。
ヒグマとの遭遇や誘因などの事故がないように、しっかりとレクチャーを受け、万全の注意が必要です。
沼めぐりは、大雪高原温泉(大雪高原山荘)から始まります。
ここは裏大雪山の山懐、標高1260メートルにある温泉で、紅葉の美しさは群を抜いています
紅葉の時期の沼めぐりは、沼面に深紅の山肌が映り、周囲は自然の調和のとれた
一大パノラマとなります。
冬の間は雪に閉ざされてしまうため、営業期間は6月10日~10月10日のみ。
1年のうち、営業している期間はわずか123日間という、まさに秘湯中の秘湯の宿です
こんな絶景が楽しめる、大雪山系にぜひ行ってみてください。