
インドの「ジャイプール」という都市を聞いたことがありますか?
ここは、インドの砂漠地帯にあるラジャスタン州の州都なんですが、昔ある王子が市街の建物をピンク色に塗ったことがきっかけで伝統的に建物にピンク色の塗装が施されるようになり、時を経た今でも「ピンク・シティー」と呼ばれる景観を作っているのです。
都市自体が何ともロマンティックな感じですが、そんなジャイプールで最も有名な建物はおそらく【ハワ・マハル】(Hawa Mahal)ではないでしょうか。ここは別名『風の宮殿』(Palace of Wind)とも呼ばれています。ガイドブックなどでもよくジャイプールのシンボル的存在として紹介されているので、目にした方も多いかもしれませんね。
さて、この【ハワ・マハル】に関する質問です。
「窓は一体何枚あるでしょうか?」
答えは・・・
通りに面して並んでいる窓は、なんと
953
なんだそうです。ほんと、堂々としたこの外観は圧倒的な存在感ですよね。
この宮殿は1799年、この地を治めていたラージプート族の王が宮廷の女性たちのために建てたものなのです。というのも、当時宮廷の女性たちは人前に出ることを許されていなかったため、王の宮殿【シティパレス】から続く細いトンネルを通ってこの宮殿までやってきては街の様子を見ていたそうなのです。
この目も眩むような数の小窓は、宮廷の女性たちが姿を見られることなく通りの様子を眺めたりするだけではなく、建物の中に風(ハワ Hawa)を循環させて少しでも涼しさを保てるようにするための知恵でもあったそうです。
なるほど!だから、別名が『風の宮殿』(Palace of Wind) なんですね!!
こんなに美しくて独創的な愛らしい建物が実際にあるということも信じがたいのですが、目の当たりにしたら一体どんな気持ちになるんでしょうか?
古にタイプスリップして、小窓から人知れず外を眺める宮廷の女性になっているかもしれませんね。