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【旅行のプロが選ぶ 死ぬまでに絶対行きたい世界遺産100】95.キト市街(エクアドル)
エクアドルの最高峰「コトパクシ山」(標高5897メートル)を遠望する『キト』 (City of Quito)は 、標高2850メートルの高地にある、南米エクアドルの首都です。初めて訪れた際には、「セントロ」と呼ばれる起伏に富んだ旧市街のスケールの大きな「白い街並み」に驚くことでしょう。まるで、アンダルシアの白い村をすべて集めたかのような光景が広がります。石畳の階段の急な坂道には赤茶色の屋根、白壁のコロニアル調の家並みが続き、30もの教会、修道院がひしめきあっています。スペイン植民地時代の美しい街並みを、これほど大規模に、かつ完全に保存している街は他にはありません。ということで、やはり1978年の世界遺産第1号の12カ所に『キト』が選ばれました。今や「南米の世界遺産」といえば「マチュピチュ」、と言われるくらいの人気世界遺産をさしおいてです。このことからも、いかに『キト』が必訪の世界遺産であるかということがわかります。
赤道直下の熱帯にありながら、高地ゆえに気候は常春。インカ帝国時代もクスコに次ぐ、第2の都市であり、インカ帝国分裂後は北部の中心となりました。1533年にインカ帝国を滅ぼしたスペインは、ここをアンデス地域支配の中心に選びました。
住民のカトリック教化のため、金箔で装飾した絢爛豪華な教会、修道院を次々と建造。その途中に先住民の宗教と黄金文化に影響され、繊細で洗練されたキト派美術による独自のキリスト教文化を生み出しました。特に70年もかけてインカの宮殿に建てられた、南米最古のサンフランシスコ修道院付属教会内の黄金の装飾には目を奪われます。