『天壇』(てんだん)は、周囲6キロメートルの外壁で囲まれた現存する中国最大の壇(皇帝の祈祷所)です。明清代の皇帝は、正月にここで天に五穀豊穣の祈りを捧げていました。
1420年に建てられた『祈念殿』は、石彫が施された3段の円形石段の上に建つ、釘をまったく使っていない木造建築となっています。紺青が鮮やかな瑠璃瓦の3重の丸屋根と、朱、金色、緑からなる極彩色の外壁が青空に映えます。
天井が鮮やかな円錐形の木造建築の『皇穹宇』(こうきゅうう)を囲む円形の土壁は、壁に向かって小声でささやくと180度反対に立っている人にも聞こえることから、やまびこを表す「回音壁」の名がついています。
中庭の中心には、叩いた数だけのこだまが返る「三音石」があります。
北京 天壇