【旅行のプロが選ぶ 死ぬまでに絶対行きたい世界遺産100】100.屋久島(鹿児島・日本)
『屋久島』(やくしま)は、鹿児島県の大隅半島佐多岬南南西約60キロメートルの海上に位置する島で、日本全国では7番目の面積を誇ります。
豊かで美しい自然が残されていて、島の90%が森林で、そのうち島の面積の約21%にあたる107.47平方キロメートルが世界遺産に登録されています。
『屋久島』(やくしま)へは、「海に浮かぶアルプス」といわれる様が実感できる船でのアプローチがおすすめです。
1000メートル級の高峰がなんと40座も連なる、のこぎりの歯のような山上部が目に飛び込んできます。まさに山また山の島で、九州最高峰の「宮之浦岳」(標高1935メートル)が中央にそびえます。
ひと月に35日降るとまでいわれる雨の洗礼も強烈です。パチンコ玉ほどの大きな雨粒が背よりも高く跳ね返ったかと思うと、バケツの水をかけられたような豪雨に。
年に1万ミリメートルという日本一の多雨が育てたのが、樹齢1000年以上の「ヤクスギ」で、コケに覆われた標高1000~1500メートル付近に繁茂しています。
「屋久島といえば縄文杉」と言われるほど、有名なのが樹齢7200年の「縄文杉」です。その他、コブがたくさんありずんぐりとした、根回り43メートルの「大王杉」もよく知られていますね。
縄文杉を見るには、登山、しかもハードな道のりのため本格的な山歩きの準備が必要ですが、堂々とした姿を見るとそれまでの疲れも忘れてしまいそうなくらい神々しい風景に包まれます。縄文杉にたどり着くまでには、三大杉、ウィルソン株、大王杉などさまざまな巨木にも遭遇できます。せっかく屋久島に来たのなら、この癒しの空間を体感しない手はありませんよね。
屋久島は円型に近い形で、外周は130キロメートルほどあります。島内はほぼ全域が山地なので、島の周囲をぐるりと周回する県道「77号」と「78号」が幹線道路の役割を担っています。屋久島を回る時には、この「77号」と「78号」を中心にして回ることになります。
屋久島の観光ルートは主に、「時計回り」か「反時計回り」になるのですが(どちらのルートも結局同じところを回るわけですが・・・)、オススメは宮之浦岳をまず訪れる「時計回り」です。
ジブリ映画の人気作品「もののけ姫」の舞台は屋久島ではないのですが(舞台はブナの原生林が有名な青森県の白神山地)、製作にあたって大いに参考にされた場所と言われています。