これは何だ?
まるで、魔法がかけられた世界やおとぎ話の世界に迷い込んだような、不思議なこの光景はポーランドの北西にあるグリフィーノ地方にある森で見ることができます。
無数の奇妙な木・・・この森は、ポーランド語で『Krzywy Las』(クシュヴィ・ラス)、英語で『The Crooked Forest』と呼ばれていて、どちらも「ゆがんだ森」という意味です。
周りの森は普通なのだそうですが、森の中心部に突如として現れるこの光景、すべての松の木の根元の部分が北方に向かって曲がっているのです。
本当にこんな森があるのか??
そう思うのも仕方ないですよね。だって本当に信じられない光景ですもんね。
実際の映像で見てみてください。さらに謎が深まります・・・
出典: www.youtube.com
ゆがんだ森
この『ゆがんだ森』は、この森自体がミステリーなのです。
曲がった松の木は約400本あり、0.3ヘクタールに100本の松がまとまっていて、22列で125cmの間隔を開けて植えられています。
わかっているのは、これらの木が植えられたのは1930年代だということだけ。どうして、こんなふうに曲がってしまったかについては、いまだにわかっていないのです。
この曲がった木は、すべてが節のところで曲がっているのですが、そこの年輪からは植樹から大体7年から10年くらいの時に曲げられたということが予測できます。1930年代に植えられてから7~10年はまっすぐ普通に成長。その後、人間の手により意図的に曲げられたのではないかと言われています。
たとえば、家具や道具の丸い部分を作るため、あるいはボートなどを作るため、もしくは農作業の際に牛の首にかける道具を作るための材料として、曲がった木が作られたのではないかなどの説があるそうです。
しかし、曲がるように手を施し、木々の成長を待っている間に、第二次世界大戦が始まってしまいます。そこで、人々は木々の管理を中断せざるを得なくなり、そのまま放置されてしまった。その結果、人々を「ゆがんだ森」として、気味悪がらせる存在になってしまった・・・
子供なら、曲がった部分に3人ほど座れるくらい深く曲がっている不思議な森。
これだけの数の木が人の力でこれほどまでに曲がる、というのも信じがたいのですが、その後そのまま成長していったということもさらに不思議ですよね。きっとこの森に足を踏み入れると、そこは現実なのか錯覚の世界なのかわからなくなるんでしょうね。それくらい、この森の光景は異様ですが、同時にいつまでもそこにいてその空間を楽しんでみたい、そんな不思議な魅力も持ちあわせています。
自然の力は私たち人間の想像をはるかに超えたもので、いかに大きなものかということを思い知らされます。
もとはと言えば、昔、自然に逆らって人間が作ったであろう不自然な光景を現代の人間が恐れる、というのも何だか不思議ですね。