北京の世界遺産の中でも、最も知られていると言っても過言ではない『万里の長城』。万里の長城は、北朝鮮との国境の丹東・虎山長城からシルクロード、ゴビ砂漠の嘉峪関(かよくかん)まで8852キロメートルも続く明代の城壁で、世界最大の建造物でもあります。
紀元前3世紀に中国を統一した秦の始皇帝が、春秋時代に燕(えん)、趙(ちょう)、斉(せい)など7つの国ごとに築かれた高さ2メートルの城壁を、異民族の侵入に備えてつなぎ合わせたものなのです。その後の歴代王朝も長城を強化、延長し、今残っているのは17世紀の明代にできた最大規模のもの。
観光には、北京の北70キロメートル、標高1000メートルの高地にある八達嶺(はったつれい)長城が便利で、万里の長城といえば普通ここを指します。花崗岩と素焼きレンガが7~8メートルの高さに積み上げられていて、城壁上を馬が5頭並んで歩けると言われるほどの幅(6メートル以上)があります。
望楼や烽火台が等間隔に設けられている長城が、燕山山脈の尾根に合わせて、うねりながら果てしなく延びている風景は壮観です。他には「金山嶺」(きんざんれい)、慕田峪(ぼくたよく)、居庸関(きょようかん)の各長城も素晴らしいので、時間があれば訪れたい。
万里の長城