写真をご覧ください。
夕暮れの中、その目はこちらをまっすぐ見ています。
石造りの巨人はあんぐりと大きく口を開け、獲物を待ち構えているようです。
しかし、あたりは平和すぎるほどに平和で、夕陽がユーカリの木を
赤く染め、眼下に見える湖を背景に馬が草を食んでいます。

今回ご紹介するのは、オーストラリア・ビクトリア州にある
洞窟ホテル『Mira Mira』（ミラ・ミラ）。
メルボルン（Melbourne）から車で約90分のところにあります。

静寂と安らぎの極私的空間

『Mira Mira』（ミラ・ミラ）とは、
アボリジニ（オーストラリア大陸の先住民）の言葉で
「鏡 鏡（mirror mirror）」の意味です。

巨人の口をふさぐ木製の扉を開け、暗い喉の奥へと入り、
底まで降りると、そこには温かな洞窟のような空間が広がっています。

洞窟の中は快適な生活空間で、電子レンジ付きのキッチンから
ダイニングテーブル、ソファ、暖炉まであります。
そして、なんとテラスも！
テラスにはテーブルとイス、バーベキューコンロが置かれ、
なだらかな緑の丘ときらきら光る湖が一望できます。

オーナーはこう言います。
「何かに包み込まれるような、心からの安らぎを味わってほしい。
胎内の赤ん坊のように。」