タイムスリップしたようなふしぎな空間!
雪国地方で見られる雁木は、冬の吹雪や積雪の日でも
自由に往来できるように工夫された伝統的なアーケードです。
青森や秋田では、雁木造を「こみせ」と呼んで、
青森県黒石市にも各段に美しい「こみせ道」があります。
一帯は日本有数の豪雪地帯。
吹雪は容赦なく小道までなだれ込んできます。
しかし夜には、まるでタイムスリップしたかのような
幻想的な舞台セットを見せてくれます。
子犬と散歩するおじさんのかたわらを、
学校帰りの生徒たちはキャッキャ笑いながら通っていきます。
大正ロマン風のカフェからもれる灯りも温かい・・・
雪の夜のふしぎな空間です。
日本の道百選にも選ばれた「こみせ」(小見世)。
黒石市の中町には、藩政時代から今に残るアーケード状の通路が
「中町こみせ通り」として、昔ながらの風情を保ったまま残っています。
「中町こみせ通り」のように、こみせがまとまった形で残されているのは、
全国的にも類例がないといわれています。
こみせというのは、雪よけの屋根のこと。
夏は暑い日差しを避け、冬は吹雪や積雪から人々を守ってくれる。
そんな先人たちの思いが詰まったアーケード状の通路です。
昔の商店通りだった中町こみせ通りは、買い物に来た人たちのために
自分たちの敷地内にアーケードを作った、人情あふれる通りなのです。
また、国の重要文化財に指定されている「高橋家住宅」や
昔ながらの造り酒屋、蔵などが並ぶ風景は、いにしえを彷彿とさせてくれます。
風情ある通路空間は、通路側に一間おきに並ぶ木の柱の上に、
天井が板張りのひさし状の屋根が載った形でつくられています。
代々受け継がれてきた美しい形と、通る人にいつも快適さを与える空間。
この2つが見事に融合することによって、中町こみせ通りは黒石市全市民の
共有財産として大切に保存されてきたのです。
長さにすると、ほんの数100メートルですが、この通りに凝縮されている歴史を感じることができます。
夏は、浴衣を着てお散歩なんて情緒があって、インスタ映えする写真も撮れるんじゃないでしょうか。
平入りの屋根のラインが、雪国独特の木のアーケード「こみせ」の上に姿を見せ、独特の景観を見せる・・・
こんな絶景が楽しめる、青森県黒石市の中町こみせ通りをぜひ訪れてみてください。
★『中町こみせ通り』の住所、行き方・アクセス、電話番号、公式ホームページなど
- 住所:青森県黒石市中町
- アクセス:
※ 黒石ICから車で約10分
※ 弘前鉄道弘南黒石駅から徒歩で約10分 - 規模:市街地の東寄り・南北約350メートル続く中町通り
- 電話番号:0172-52-2111(黒石市商工観光部 商工観光課)
- 公式ホームページ:中町こみせ通り (黒石観光協会)