【旅行のプロが選ぶ 死ぬまでに絶対行きたい世界遺産100】57.デルフィの古代遺跡(デルフィ・ギリシャ)
アテネから北西へ178キロメートルのギリシャ中部、眼下にオリーブ畑と遠くコリンティアコス湾を望むパルナッソス連山(標高2457メートル)の麓に広がる『デルフィの遺跡』は、紀元前に太陽神アポロンの神託が行われていた聖域です。古代ギリシャではここが「大地のヘソ」(世界の中心)と信じられていました。「デルフィ」は、古代ギリシャの聖地「デルフォイ」の現代名です。
ギリシャ神話によると、デルフィの神託所を守護していた大蛇のピュートンが、ゼウスの子アポロンを身ごもった母を亡き者にしようとしたため、アポロンは生まれるとすぐ弓矢でピュートンを退治、神託所はアポロンに与えられました。そして巫女にピュティアと名乗らせ、その体を借りて神のお告げを受けるようになったということです。
この聖域の中核は、紀元前4世紀に建造され、神託が行われていた『アポロン神殿』です。今は6本のドリス式列柱と土台を残すのみですが、巫女ピュティアが信託を受けたと思われる場所で、当時の人々にとってはここが世界の中心でした。
神域全体を見下ろす丘の上には、大理石の観客席が残るギリシャ最古の野外劇場があります。
ギリシャ デルフィ