必見!世界のとっておき【可笑しなホテル20軒】16. トランク・ホテル ~Koffterhotel・ドイツ~
今回ご紹介するのは、『トランク・ホテル』(Koffterhotel)。
ドイツ中部の小さな村「ルンツェナウ」の道端に、
ぽつんと置かれている巨大なトランクがホテルなんです。
道路からもよく見えるので、ときどき車を降りて
その正体を確かめる人もいるそうです。
バックパッカー向け”寝台列車”
この『トランク・ホテル』。
お世辞にも広いとは言えませんが、「トランク」は
しっかり必要を満たしています。
2団ベッドと、駅で使われていたロッカーの整理棚。
その脇に洗面台、トイレがあります。
ちなみに、壁には「最大積載量1600kg」の文字があります。
寝台に上がり寝そべってみると、思いのほか快適です。
ただ、星空模様の天井は低く、座ることはできません。
ということは、つまり”宿泊中”、「トランク」の中では
横になるしかないのです。
壁にはいろいろな落書きが・・・宿泊客の落書きかと思いきや、
よく見ると、あれこれ書きつけられた文字は、
『トランク・ホテル』オーナーの温かな気配りへの感謝の言葉です。
なかには、「ここはいいところだな」という簡潔にして、的を得たひとことも。
寝つけないお客さんがいると、オーナーが安らかな眠りにつける本を
届けてくれたりするそうです。
朝になると、オーナーが外の芝生の上に手摘みの花を飾った
ささやかな朝食テーブルを用意します。
食器には、鉄道専門の食事サービス会社「ミトロバ」のロゴ。
庭のすぐ先をムルデ川が流れ、木々から鳥のさえずりが聞こえます。
トランクの生みの親は鉄道マン
『トランク・ホテル』の生みの親であるオーナーは、
ドイツ連邦鉄道に勤める人です。
彼は、ルンツェナウ村の発明家として知られ、
奇妙でユーモラスなモノをたくさん作ってきました。
そして、彼が考えた珍しく実用的なモノが『トランク・ホテル』でした。